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会社設立前の経費はどこまでOK?繰延資産のしくみも解説【会社設立、法人化】

物種健吾
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会社を設立する際には多くの費用がかかります。

それらの経費がどこまで認められるのでしょうか?特に会社の設立当初は、まだまだ経営が不安定なことが多いので、開業費用を経費に計上する事で、税負担の軽減につながります。

そこで、今回は、

  • 会社設立前の費用は経費に計上できるのか
  • どれくらい前からの経費が認められるのか
  • 税務上の経費の計上方法

などを具体的に解説していきます。
会社を設立するなら、知っておくべき知識です。ぜひ参考にしてください。

動画でも解説しています。

 

会社設立前の費用は経費に計上できるのか?→結論、できます

 

先に結論をお伝えすると、会社設立前にかかった費用は経費に計上できます。

以下でも詳しく説明しますが、例えば、会社を設立するためのカフェでの打ち合わせ代や交通費などの細かいものも経費に計上できます。

 

いつから経費に認められるのか基準はない

 

そこで「いつくらい前の費用から経費に認められるんだろう?」と疑問に思うかもしれませんね。

経費として計上できるのは「会社設立期間中の費用」です。

つまり「設立◯ヶ月前〜の費用ならOK」というような具体的な決まりはありません。

ただし、一般的に会社を設立するのに要する期間のみが認められ、常識を逸脱した長期間は認められません。実務的には1〜3ヶ月間の費用が経費に計上できると考えておきましょう。

(ただし、会社の設立にかかる期間は業種によって異なるので、1〜3ヶ月という目安も「絶対」ではありません。「いつ発生したか」よりも「事業をするための経費であるかどうか」という点が重要な基準です。)

 

会社設立前の費用の計上について

 

会社設立前の費用は、時系列に沿って以下の3つに分けることができます。

  1. 創立費(繰延資産)
  2. 通常の経費
  3. 開業費(繰延資産)

順を追って見ていきましょう。

創立費(繰延資産)

会社をつくるための直接の費用は「創立費」として認められます。

具体的には以下のような費用が該当します。

  • 登録免許税…法務局に支払う。資本金によって金額が異なる
  • 定款認証費用…公証役場に支払う。定款認証手数料、定款印紙代、定款謄本代など
  • 設立登記費用…登記簿謄本発行、印鑑証明取得費など

会社設立時に司法書士に支払うような費用が、創立費になります。

創立費は最終的には経費になりますが、「繰延資産」(資産科目)として計上されます。後ほど詳しく説明します。

通常の経費

会社を設立するまでに支払った事業経費は、設立日に経費に計上します。

売上を上げるために必要な経費がこれに該当します。

  • 事務所賃料
  • 光熱費
  • 消耗品費
  • 交際費
  • パソコン代
  • ホームページのドメイン代 など

経常的に発生する通常の経費をイメージしてもらえればいいかと思います。

開業費(繰延資産)

会社を設立してから営業を開始するまでに期間があることがあります。

例えば、9月1日に会社を設立し、お店のオープンは9月20日というケースです。この間、開業に向けた準備をするためにかかる費用は「開業費」になります(経費ではなく繰延資産です。後述します。)。 

  • 開業準備のチラシの作成
  • 名刺作成
  • 会社案内
  • 研修費用
  • 市場調査費用
  • 許認可取得費用

などが該当します。

ただし、開業までの間にかかったものであっても、店舗の賃料や光熱費、給料、通信費などは通常の経費に計上されるので、間違えないようにしましょう。

創立費・開業費・通常の経費の違い

先にも簡単に触れましたが、この3つの「経費」のうち、創立費と開業費は「繰延資産」に該当します。

繰延資産以外の「通常の経費」は発生した(支払った)タイミングで計上するのが原則です。

以下では繰延資産について詳しく見ていきます。

繰延資産とは

繰延資産は支出する費用のうち、その支出の効果が1年以上におよぶもののことを言います。

また、繰延資産は会社法による「会計上の繰延資産」と、税法における「税務上の繰延資産」に分けられます。

会計上の繰延資産には、創立費や開業費以外に以下のようなものがあります。

会計上の繰延資産

  • 株式交付費…新株を発行するためにかかった費用
  • 社債発行費…社債を発行するためにかかった費用
  • 開発費…新しい技術や市場の開拓、経営組織の採用にかかわる費用など

支出したあとも長期にわたって利益を生み出す可能性があるものは、資産として計上されます。

※ちなみに「税法上の繰延資産」には、

  • 賃貸借契約時の礼金
  • 特約店などへ自社製品宣伝のためのショーケース(資産)を贈与する費用
  • フランチャイズの加盟金

などがあります。

会計上の繰延資産は任意償却

会計上の繰延資産は「任意償却」とされており、経費に計上するタイミングはいつでもOKです。

1期目にそのまま経費に計上してもいいですし、2期目、3期目…に計上することも認められます。

会社の設立当初は売上が少ない場合が多く、一度に経費を計上してしまうと経営を圧迫してしまいます。

繰延資産は利益が出た事業年度に経費に計上できる非常に融通の効く経費なのです。

※会計上の繰延資産は「均等償却」を選ぶこともできます。均等償却の場合、

  • 創立費、開業費、開発費…5年以内
  • 株式交付費…3年以内
  • 社債発行費…社債の償還期限内

というように、償却できる期限が決まっています。

創立費や開業費などの繰延資産の仕訳例

2つの繰延資産について、簡単な仕訳の例を時系列で見ていきましょう。

創立費の仕訳(会社創立前)

会社の創立前に登録免許税150,000円を現金で支払った場合

借方(かりかた) 貸方(かしかた)
創立費
(繰延資産)
150,000 現金 150,000

借方の創立費は繰延資産として計上されます。

開業費の仕訳(会社創立後)

会社を設立してから営業開始までの間に、パンフレット代として100,000円を普通預金から支払った場合

借方(かりかた) 貸方(かしかた)
開業費
(繰延資産)
100,000 普通預金 100,000

パンフレット代は印刷製本費に計上してしまいそうですが、営業開始前の開業に必要な費用は「開業費(繰延資産)」として計上します。

決算時の仕訳(繰延資産の償却)

繰延資産を経費に計上する場合の決算仕訳

借方(かりかた) 貸方(かしかた)
創立費償却(費用) 150,000 創立費(繰延資産) 150,000
開業費償却(費用) 100,000 開業費(繰延資産) 100,000

経費に計上するときは「創立費償却」「開業費償却」などのように「〇〇費償却」という勘定科目を使います。

ちなみに創立費償却などは営業外費用として計上されます。

まとめ

会社を設立する前の経費の計上は、一般的には1〜3ヶ月程度に発生した費用が目安です。
会社を設立するための直接の費用は「創立費」として認められます。

また、会社を設立してから営業開始までの開業準備費用は「開業費」となります。「創立費」と「開業費」は繰延資産で、任意のタイミングで償却できます。
通常発生する経費とは区別して考えることがポイントです。

会社設立時は経営を安定させるために、会社設立前の経費(繰延資産)を有効活用しましょう。

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