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不動産所得の事業的規模を満たせば、控除額が55万円増える!

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確定申告の話ですが、

不動産経営を個人でしている人は、
青色申告特別控除のうち、簡易簿記で計上できる
10万円の青色申告特別控除を受けている人が多いです。

ただ、一定の規模を超えていると10万円の控除だけでなく、
65万円控除できるというのを御存知でしょうか?

不動産の貸付をしている人で、その貸付が事業的規模に該当する場合は、
65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
(令和2年分から55万円、e-taxによる電子申告又は電子帳簿保存を行えば65万円)

動画での解説はこちらから

青色申告特別控除の10万円と65万円の違い

この65万円の青色申告特別控除を受ける事による節税額は、
意外と大きいんです。

10万円の青色申告特別控除を受ける場合と比べると、控除額が
55万円変わってくる(65万円ー10万円=55万円)ので、

所得税で一番低い5%の税率の人でも、
所得税で55万円×5%=27,500円
住民税で55万円×10%=55,000円
合計で約82,500円の節税です。

これが、最高の45%の税率の人だと、
所得税で55万円×45%=247,500円
住民税で55,000円

合計で、約302,500円の節税となります。

青色申告で65万円の特別控除を受けるためには?

青色申告で65万円の特別控除を受けるためには?

不動産の貸付をして入る人で、
青色申告特別控除の65万円控除を受けるためには、
2つの条件をクリアする必要があります。

・事業的規模を満たしている事。
・複式簿記による帳簿作成。

この2つの要件を満たす必要があります。
それでは個別に見ていきましょう。

事業的規模って?

この事業的規模に該当するかどうかは、
原則、実質的に判断するのですが、
一般的には形式的に判断する場合が多いです。

形式的な基準としては、
5棟10室といわれるものです。
これは、
戸建なら5棟以上、部屋数では10室以上
所有している場合です。

このいずれかに該当すれば、所得税法上で事業的規模があるという事になります。

5棟以上というのは、独立家屋の貸付けとしての数になります。
戸建ての数が5以上という事です。

10室以上というのは、貸間・アパート等について、
貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること
となります。

又、戸建の場合は(1棟=2室)として計算できるので、
例えば、戸建2棟+マンションで6室を所有している場合、
2棟×2+6室=10室で、事業的規模はOKとなります。

駐車場の場合、5件で1室に値するというのが一般的ですので、
50件以上貸している場合(50件÷5件=10件)は事業的規模となります。

その他、個人事業(商売)をしながら不動産貸し付けをしている場合は、
問題なくOKだったりと、実質的に判断する場合もありますので、
微妙なラインの場合は、個々の判断が必要となってきます。

複式簿記による帳簿作成について

65万円の特別控除を受けるためには、
複式簿記による帳簿作成が必要です。
全ての取引を仕訳し、財産債務を管理する方法です。

この複式簿記をする場合は、
クラウド会計会計ソフトを利用しましょう。

不動産賃貸の場合、
家賃収入の管理がメインとなるので、
帳簿処理も単純なものになります。

現金と普通預金の入出金を記載する事でほとんどの取引を
記載する事ができるので、あまり手間をかけずに複式簿記に
よる帳簿作成が可能となります。

事業的規模の要件を満たすことによるもう一つのメリット

事業的規模を満たすことによるメリットで、
もう一つ大きなポイントとして、家族に給料を支払う事ができます。

例えば、家族が家賃の回収や帳簿の作成などを行っている場合、
その家族に対して適正額の給料を支払えます。
(事前に青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要)

※不動産収入からの家族への給料の支払は、
事業的規模を満たしていないと認められません。

まとめ

不動産貸付のオーナーは、事業的規模の要件を満たしていれば、
少しの手間(複式簿記)で、かなりの節税になるという事と、
家族に給料を支払えるという大きなメリットがあります。

不動産のオーナーの人は、この事業的規模に該当するかどうか?
一度見直すとともに、検討してみてください。

 

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